卵を食べ過ぎるとコレステロール値が上がって体に良くない、と言われていた時代がありました。年配の方々の中には、そのような話を聞いたことがある方も、きっと多いことでしょう。

ところが現代医学では、その説は完全に否定されています。遺伝的にコレステロール値が上がりやすい人でない限り、毎日卵を1~2個食べても血中コレステロール値には影響がないことが、ほぼ分かっています。それどころか近年では、健康のために卵を積極的に摂るべきとの説が、主流となってきました。

様々な健康効果が期待できる卵ですが、ここでは、肝機能の改善という点に着目し、改めて卵のスゴさを考察してみたいと思います。

目次

卵に期待できる効果

肝機能の改善という視点に立ったとき、まずは注目したい成分が必須アミノ酸のメチオニンです。

体内に入ったアルコールは、主に肝臓で分解されますが、アルコールを摂り過ぎてしまったり、もともとアルコールに弱い体質だったりした場合には、肝臓に大きな負担を与えてしまいます。そこで登場する成分がメチオニン。

アルコールを分解する際、肝臓を強力にサポートする成分として知られるメチオニンですが、卵にはこのメチオニンがとても豊富に含まれています。

加えて、卵にはアルコールの燃焼をサポートするビタミンB1、肝炎の要因ともなる「脂肪の酸化」を予防するビタミンB2など、肝臓を助ける様々な成分が豊富。炭水化物の置き換えダイエットとしての食材としても卵が知られていることから、脂肪肝の改善効果や予防効果も期待できます。

お酒が好きな方はもちろんのこと、肝臓をいたわって健康を維持していきたい方にも、ぜひ日常的に卵を食べることをおすすめします。

卵の種類について

卵の種類の違いによって、栄養価は変わるのでしょうか?以下、4つの視点から卵の種類の違いと、それぞれの栄養価の違いを確認してみましょう。

白い卵と赤い卵

スーパーで売られている卵を比較すると、白い卵よりも赤い卵のほうが、値段が高い傾向があります。このため「赤い卵のほうが栄養価が高い」と連想する方もいると思いますが、それは誤解。卵の色の違いは、鶏の種類の違いや遺伝的な違いに由来するもので、栄養価にはほとんど違いがありません。

赤い卵のほうが値段が高い理由は、白い卵を産む鶏よりも、赤い卵を産む鶏のほうがエサを多く食べるから(=飼料代がかかるから)と言われています。

有精卵と無精卵

有精卵とは受精している卵のこと。温めればヒヨコになる卵です。無精卵とは、受精していない卵のこと。無精卵がヒヨコになることはありません。

ヒヨコになれる卵とヒヨコになれない卵をイメージだけで比較すると、なんとなく、ヒヨコになれる卵のほうが栄養価が高いような感じがします。

ところが、それは間違い。有精卵と無精卵の栄養価には、差がないことが分かっています。

親鶏

卵の親となる鶏には、主に白色レグホン、ロード・アイランドレッド、烏骨鶏の3種類があります。私たちの食卓でよく見る白い卵は、ほとんどが白色レグホンの卵です。

それぞれの卵は、見た目にも値段にも違いがありますが、栄養価にはほとんど違いがありません。烏骨鶏の栄養価がやや高めですが、他の種類に比べて「極めて高い」というわけではないようです。

黄身の色

黄身の色が薄い卵と濃い卵があります。一見、濃い卵のほうが栄養価が高いように思えますが、そんなことはありません。

黄身の色の違いは、エサに含有される色素の影響。栄養価はほとんど同じです。

卵に含まれる主な栄養成分

卵に含まれる主な栄養成分のうち、肝臓の働きに関与するとされているものを見てみましょう。

  • メチオニン…肝臓におけるアルコール分解の働きをサポートします。
  • ビタミンB群…ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB12、葉酸、ビオチンなど。肝臓の働きをサポートします。
  • ビタミンE…強い抗酸化作用を持つことで知られる成分。非アルコール性脂肪肝炎の改善作用が報告されたこともあります。