肝機能を改善する食品

日常の生活スタイルによって、その状態が左右される肝臓。そしてこの臓器は、多少のダメージを受けても痛みといった自覚症状があらわれにくいことから、「沈黙の臓器」といわれています。
しかしそれゆえ、気づかないうちに病状が悪化してしまうということも…。そうならないためには、適度な運動や規則正しい生活、そして肝臓をいたわるとされる食品・栄養を意識的に摂取することが大切です。

肝機能の改善が期待できる栄養素

肝機能の改善にはγ-GTPを下げる食べ物、つまり『タンパク質』『食物繊維』『タウリン』を豊富に含んだものが良いとされています。以下、それぞれの栄養素と肝臓への関係を確認していきましょう。

良質なタンパク質を多く含む食品

肝臓はタンパク質で作られています。そのため、肝臓の細胞を再生させるにはタンパク質が必要不可欠。
しかし、単純にタンパク質といってもその栄養価は食品によって異なるため、「良質なたんぱく質」を含むものを選択することが大切です。では、「良質なたんぱく質」とはいったいどのようなものなのでしょうか。
それは、体内で作ることができない、ロイシンやイソロイシンといった必須アミノ酸がバランスよく含まれているアミノ酸スコアが高いものを指します。

含まれている食品としては、肉(ささみや豚のもも肉など)・魚介類、チーズや牛乳などの乳製品のほか、卵や豆腐といった大豆製品など。しかし、過剰にタンパク質を摂取するとカロリーオーバーになりますし、肝機能が弱っているときであれば、タンパク質を分解した際に発生する有害なアンモニアが、肝臓に余分な負担をかけることもあります。そしてさらに、アンモニアが血液の流れに乗って肝性脳症を引き起こす可能性もあるため、適量を摂るようにしましょう。

ちなみに、目安としては、以下を参考にして下さい。
・「18歳以上の男性」…60g/日(推奨量)
・「18歳以上の女性」…50g/日(推奨量)
・「合併症がない肝硬変の場合」…1.0~1.5g/㎏/日
・「高アンモニア血症を伴う場合」…0.8~1.0g/㎏/日
・「糖尿病を合併する場合」…1.0~1.5g/㎏/日

参照元
「エーザイ」
https://patients.eisai.jp/kanshikkan-support/eat/calorie.html
「meiji」
https://www.meiji.co.jp/milk-protein/healthy-life/article-3.html

食物繊維を多く含む食品

食物繊維を摂取することで腸内環境が整い、結果として肝臓の負担を減らすことにも繋がります。
肝臓の役割として、体内の有毒物質を解毒するというものがありますが、便秘などで体内に毒素が溜まった状態だと、有害なアンモニアが発生し続け、肝臓にダメージを与えることに。そのため、食物繊維を摂取し便通を良くしておくことが大切です。

なお、食物繊維が豊富に含まれているものとしては、穀類であれば「玄米」や「麦めし」、野菜類であれば「ごぼう」「山芋」「れんこん」など。ほかにも、海藻類やきのこ類などが挙げられます。

ちなみに、食物繊維は通常の食生活では不足しがちな栄養素なので、積極的に摂るよう意識しましょう。

タウリンを多く含む食品

昔から肝臓に良いとされている、カキやしじみ。これらに豊富に含まれている栄養素が「タウリン」です。
また、栄養ドリンクや肝臓系サプリなどに配合されていることでも知られており、肝臓が分泌する胆汁を構成する主成分。農林水産省のHPに『肝臓の解毒能力を強化。アルコール障害にも効果的。』と記載されていることから、肝機能改善に期待できる栄養素だといえます。

含まれている食品としては、先述のものに加えてイカやタコといった魚介類のほか、キノコ類などがあります。

参照:「農林水産省」
https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1803/02.html

肝臓に良いとされる食べ物一覧

肝機能の改善を期待できる食べ物にスポットを当て、それぞれの食品ごとに、期待できる効果や有効成分に関する情報をご紹介します。

肝機能を改善する食品1:しじみ

「二日酔いの朝にはしじみの味噌汁」という言葉が知られている通り、かねてから肝臓によい成分として知られるオルニチンが配合されています。

そして近年、しじみの身に含まれる成分だけでなく、その貝殻を焼成して形成されるカルサイトという成分が、肝臓の機能を改善する効果をもつ可能性があるのではないかと言われており、研究が進められてます。

肝機能を改善する食品2:ウコン

カレーの色素のスパイスとして知られ、また成分を配合したドリンク剤などでもお馴染み。この10年ほどですっかりお馴染みの食品となりました。

そんなウコンには飲みすぎや食べ過ぎなどで弱まった肝臓の働きを正常に戻してくれる効果や、アルコールの分解・解毒作用の向上があります。

さらには、抗がん剤としても効果が期待できる可能性があるのではないかと、マウスを用いた実験によって明らかになってきています。

肝機能を改善する食品3:スプラウト

言葉自体の意味は「発芽」や「新芽」という意味する、英語の“sprout”から来ていますが、ここでは特に、ブロッコリーの新芽のことを指しています。

見た目はかいわれ大根に似ており、スーパーマーケットの野菜コーナーなどで見かけることも多くなってきました。

肝臓本来の解毒作用を高め、また抗酸化や抗炎症などの作用もアップ。肝機能マーカーの数値を改善する効果もあるとされています。

肝機能を改善する食品4:ごま

お赤飯やおにぎりなどを筆頭に、私たち日本人の食生活においてすっかりお馴染みの食品ですが、肝機能の改善においても、大きな効果が期待できます。

とりわけ、有効成分が胃腸では分解されず、肝臓へ直接作用するのが大きな特色。

肝臓の働きを高め、悪玉コレステロールを減少させ、さらには強力な抗酸化作用を発揮することで、老化防止やアンチエイジング、血管障害の予防や改善が期待できます。

肝機能を改善する食品5:コーヒー

嗜好品に分類されるものなので、健康のためには控えるべき飲み物とつい思ってしまいがちですが、むしろ逆。肝機能の改善のためには、積極的に摂取すべきものです。

もちろん飲みすぎはよくありませんが、一日三杯程度はまったくもって適量。肝臓がんや肝硬変の予防を促進する効果や、ALT、AST、γ-GTPといった肝機能マーカーの数値を改善する効果が期待できます。

肝機能を改善する食品6:梅干し

その強烈な酸っぱさゆえに、苦手とする方も多いかもしれませんが、その酸味にこそ、肝機能改善に有効な成分が含まれています。

暴飲暴食や疲労、ストレスなどで弱った肝臓の働きを正常に戻してくれる効果に加え、肝臓に脂肪が溜まるのをふせぎ、脂肪肝や肝硬変予防。

さらには高い抗酸化作用によって、ウイルス性肝炎に対しても抑制効果が期待できるとされています。

肝機能を改善する食品7:山芋

水分と粘り気の多い山芋は、すりおろして「とろろ」にされることの多い食材。山芋を摂取すると、肝臓への負担を和らげることができます。加えて低脂肪な食材でありながら栄養素がたっぷり含まれているため、脂肪を減らしながら栄養補給をし、肝臓の働きを整える作用が期待できます。

山芋に含まれるムチンやサポニンといった栄養素が、肝臓の負担を軽減させてくれます。ムチンは肝臓と腎臓の機能を高める働きを持っており、サポニンは肝脂肪を蓄積させないといった働きがあるのも特徴です。

肝機能を改善する食品8:ごぼう

ごぼうはもともと中国から薬として渡ってきた食材であり、カリウムや食物繊維といった栄養成分の豊富さで評価されています。そんなごぼうはお酒のおつまみにも合う食材であり、肝臓の働きを助けて血糖値を下げる作用も期待できます。老廃物を排出するという肝臓の働きを助ける他、腸内でコレステロールを吸収し、排出を促す作用も持っています。

またごぼうに含まれる不溶性食物繊維やカリウムも、肝臓の働きを助ける一要素です。食物繊維は便秘への改善効果も期待できるため、胃腸の中から体を綺麗にして血糖値を下げやすい状況が作り出されます。体全体のパフォーマンスも上がって体調の改善にもつながるでしょう。

肝機能を改善する食品9:ささみ

ささみはとりの胸肉のひとつであり、ダイエットに用いられたり筋肉を養うためにかつようされたりする食材です。そんなささみはたんぱく質をたっぷり含んでおり、肝臓の疲労回復や修復を促す食材としても知られています。

ささみに含まれているメチオニンは肝機能を促す働きを持っており、肝臓で行われている毒素の分解や老廃物を取り除く機能をサポートし、二日酔いの解消などに役立てられています。メチオニンには脂肪を体内に取り組むための「乳化」という作用を促す働きも認められており、利尿作用や老廃物の排出を助けてむくみを予防する効果も期待できます。

肝機能を改善する食品10:れんこん

れんこんは弥生時代から使われていた歴史を持つ食材。ビタミンCやタンニンといった体に良い栄養成分が多く含まれており、体調を崩しやすい人や肌荒れが気になっている人にもよくおすすめされています。ビタミンCは人の免疫力を高める作用があり、タンニンは抗炎症作用によって胃の炎症やアレルギー反応などを和らげる働きが期待できます。

また、れんこんに含まれる「ムチン」という栄養素には肝臓や腎臓の働きをサポートする効果が認められています。ムチンは粘膜の働きを向上させる働きもあるため、ウイルスや細菌にも耐性をつけられるでしょう。

肝機能を改善する食品11:くるみ

間食やデザートなどによく用いられているくるみは、低糖質でありながら栄養バランスにとても優れており、加工せずに食べられることから万能的な食材として親しまれています。くるみは優秀な栄養価を誇る食べ物であるため、単体で食べるよりも他の食品と組み合わせて食べることで、より栄養の効果が期待できます。組み合わせる栄養素としては、ブロッコリーがおすすめ。

くるみに含まれる成分として有力なのは、オメガ3脂肪酸と言われる栄養成分です。これは体内で自主的に生成されることのない成分であるため、食事によって外から積極的にとる必要があるのです。

肝機能を改善する食品12:アーモンド

アーモンドはおやつやデザートのトッピング、お酒のつまみなど、様々な場所で食べられることの多い食材です。アーモンドにはビタミンEが含まれており、これは肝機能の改善に効果的な栄養素として認められています。関脂肪のリスクを軽減させ、内臓機能を高める働きが期待できるでしょう。

実際にビタミンEの実験では、摂取したグループは肝機能が有意に改善したとの結果が見られています。ただしアーモンドは比較的高カロリーであることがわかっているため、味付けせず素焼きのものが望ましいでしょう。

肝機能を改善する食品13:味噌

味噌は日本人にとってなじみ深い食材。大豆を使った発酵食品であり、様々な料理に使いやすく食卓に並ぶことも少なくありません。そんな味噌には肝臓の解毒機能を高めたり、血中コレステロールの上昇を抑えたりといった健康効果が見られています。その他にも体内の老廃物や毒素を排出するデトックス作用や、胃がんのリスクを下げるといった効果も期待できます。

味噌に含まれているのはカリウムやビタミンE、ビタミンB12、イソフラボンにレシチン、リノール酸などなど。アミノ酸やミネラル類といった、人の健康を保つのに欠かせない成分が豊富に含まれています。

肝機能を改善する食品14:もやし

大豆を種子にすることで栽培されるもやしには、ビタミンB1、B2などのビタミンB群が豊富に含まれています。ビタミンB群は人が健康的な生活を維持するのに重要な役割を果たす成分で、肝機能を正常化させ改善効果をもたらすとされています。またもやしにはたんぱく質やミネラル、ビタミンCなどの成分も含まれていることから、栄養価が高い食材として評価を得ています。

もやしには種類があり、緑豆もやしや黒豆もやし、大豆もやしと主に分けられ、一般に多く流通しているのは緑豆もやしや大豆もやしです。

肝機能を改善する食品15:イカ

気軽に購入できて食べ方も豊富なイカは、あらゆる場面で食べたことのある人が多い食材です。イカは1食分31キロカロリーという低カロリーでも人気ですが、肝臓や血圧の正常化が期待できる健康効果も持っています。イカには肝臓や腎臓に作用して、上昇した血圧を正常に戻す働きが備わっているのです。

また、イカは疲労回復を促す食材としても有力とされており、疲れの取れにくい現代人に重宝されます。含まれているタウリンは栄養ドリンクなどにも使われる栄養成分で、肝臓に直接良い影響を与えて毒素の分解を促進してくれます。

肝機能を改善する食品16:紅イモ

サツマイモの一種である紅イモは、身の部分まで紫色をしている食材です。お菓子や料理に使われることも多くありますが、紅イモ自体には抗酸化作用や視機能を改善に導く効果があるなど、人の体の調子を整えてくれる働きがいくつも期待できます。

紅イモに含まれている主要な栄養成分は、ビタミンCやビタミンEといった抗酸化作用を持つ栄養素です。これらは免疫力を高める他、血中コレステロールの酸化を防ぐ働きも。食物繊維は胃腸の環境を整えてくれ、アントシアニンは抗酸化作用と視機能を改善、ベータカロテンはビタミンAに変換されて体の粘膜を丈夫にしてくれます。

肝機能を改善する食品17:貝

ホタテやアサリなどの貝類は、すべて肝機能の改善に有効であるとされている食材です。栄養ドリンクでも貝類の持つ栄養素はいくつも利用されており、例えばタウリンなどの栄養素は肝機能のサポートを行い、二日酔いに効果をもたらすとして重用されています。

タウリンは含流アミノ酸から合成される分子の一つであり、細胞が環境に左右されず一定の状態を保つ働きをサポートしています。例えば外気温の変化にとらわれず、体温を一定に保とうとする働きが該当します。タウリンを摂取することで幹細胞の再生を促進させたり、胆汁酸の分泌を促したりなど、体の内側に様々な良い影響をもたらします。

肝機能を改善する食品18:ブロッコリースプラウト

ブロッコリースプラウトは「ブロッコリーの新芽」をあらわす言葉です。かいわれ大根のような見た目をしており、水菜のようにしてサラダに使う食べ方が主流。このブロッコリースプラウトには、ブロッコリー以上の栄養成分と働きが期待できます。

フィトケミカルの一種である「ステルフォラファン」により、肝機能を改善させてくれます。またアルコールを代謝する過程で発生する「アセトアルデヒド」の代謝をサポートする働きも確認されているため、二日酔いの軽減にも貢献。体の調子を内側から整え、健康をサポートしてくれます。

ビタミンを摂ることも肝臓には大切

肝臓が有害な物質を解毒する際、「酵素」の働きが重要となります。そしてこの酵素を作り出すうえで、必要となるのがビタミンです。血液検査では肝機能を見る際に、「AST(GOT)」「ALT(GPT)」という項目から判断しますが、実はこれらは肝臓で働く酵素のこと。肝臓がダメージを受けた状態だと、それらが血液に漏れ出てくるため、肝機能の指標(肝炎リスクの判断)として扱われます。そして肝臓のダメージが多い場合は数値が高く、「急性・慢性肝炎」「脂肪肝」「アルコール性肝炎」のいずれかに罹っていると判断されます。

定期的に検診をして、肝臓の状態をチェック・肝臓リスクの早期発見に繋げるとともに、肝臓の元気なうちからこの酵素の材料であるビタミンを摂取することが大切。しかし、上記のように肝臓のダメージが大きいとビタミンを蓄えづらくなりますので、仮にそうなった際は十分な補給ができるよう、より一層意識していくことが必要となります。

ビタミンを含む食品と肝臓におけるそれらの働き

上記で解説した酵素以外にも、肝臓におけるビタミンの働きはそれぞれにあります。
以下では、ビタミンごとの働きとそれらが含まれている食品について解説いたします。

あらゆる酵素の補酵素「ビタミンB群」

ビタミンB群はその名が表しているように、お互いが協力しあって働くため“群”といわれています。
これらは、あらゆる酵素を補う働きをするため、不足してしまうと「食欲不振」「アルコールによる機能障害」といった肝機能の低下を引き起こしやすくなります。また、それぞれのビタミンには、特徴のある働きをすることや、不足することによるマイナス要因を引き起こすこともありますので、日頃から摂取しておきたい栄養素です。

お酒を飲む人には「ビタミンB1」

お酒を飲むと、肝臓内ではその糖質をエネルギーに変換する作業が行われ、その手助けをしてくれるのがビタミンB1です。そしてこの作業が追いつかなくなると、 肝臓の代謝が悪くなり脂肪肝や肥満の原因となります。
豚肉(赤身)、ピーナツ、ゴマ、玄米などに多く含まれているので、おつまみとしてこれらを選ぶのもよいでしょう。

細胞の再生に欠かせない「ビタミンB2」

ビタミンB2は、体の成長に必要不可欠。エネルギーを生みだす、脂質の代謝に使われることが多い栄養素です。
皮膚や髪、粘膜の保護のほか、各臓器の細胞の再生などにも関わりがあります。不足すると、肌あれ、口内炎、肝臓機能低下などが起きやすい症状として挙げられます。
そのため、豚鶏牛のレバーやうなぎのほか、牛乳(乳製品)、納豆などを摂取しておきたいところ。

脂肪肝予防には「ビタミンB6」

免疫の正常化のほか、脂質の働きにも関係があるビタミンB6。
そのため、脂肪分が多いものを食べるとビタミンB6が消費され不足しがちに。
この状態が続くと脂肪肝や肝硬変となることもあるので、予防するためにも、かつお、まぐろ、鮭といった魚や、鶏肉、バナナといったといった食品を摂るようにしましょう。

便秘予防に「ビタミンB12」

肝臓は、ビタミンB12を蓄える働きがあり、赤血球を作る際にこれを送り出します。直接肝臓に作用することは少ないのですが、ビタミンB12が欠乏していると、神経系の障害、食欲不振、便秘、下痢などを引き起こすことも。
また、便秘になるということは「食物繊維を多く含む食品」でも述べましたが、肝臓に負担を掛けることにも繋がりますので、やはり摂取しておきたいところ。
特に、牛乳やチーズなどの乳製品、魚介類、藻類、肉類(動物性食品)などに多く含まれています。

抗酸化・抗炎症作用が期待できる「ビタミンE」

ビタミンEは高い抗酸化・抗炎症作用が期待できる栄養素です。日常的に肉食などの偏った食生活を送っていると、ビタミンEが欠乏し、例えば飲酒・喫煙などで肝臓に負担が掛かった際、その炎症を抑えることが難しくなります。また、その状態が続くと肝機能の働きが落ちていき、「脂肪肝」→「肝硬変」→「肝がん」とリスクが高まります。
そのため、日頃からパプリカやかぼちゃなどの緑黄色野菜、アーモンド、アボカドなどを摂取し、これらのリスクを下げておくことが重要です。

肝がんの再発予防「ビタミンA」

肝がんの再発予防が期待できるとされているのが、ビタミンA。肝細胞の核内に作用することでがんの再発を抑制。
また、活性酸素を抑制し肝臓を守る栄養素としても知られています。
含まれている食品については、ほうれん草や人参といった緑黄色野菜のほか、うなぎやレバーなどがあります。

参照:福井県済生会病院
http://www.fukui-saiseikai.com/archives/003/201704/93a74b3c46651340b02fc1b78eda5425.pdf

アルコールの分解に必要な「ビタミンC」

アルコールの分解には、ビタミンCが消費されます。そして、ビタミンCが少ないとアセトアルデヒドが分解されにくく、二日酔いの原因に。飲酒の量が多い方は、血中のビタミンC濃度が低いといわれていますので、肝臓に負担をかけないためにも、日頃から摂取しておきましょう。またビタミンCは、過酸化脂質の生成を抑制・分解するので、肝臓病などにも効果が期待できます。
含まれている食品としては、いちごやグレープフルーツといった果物、ピーマンやブロッコリーなどが挙げられます。

肝臓にいいとされる成分・栄養素まとめ

カルサイト

カルサイトは、カルシウムの結晶構造が変化したもので、しじみの貝殻を500度で焼くとできます。「国立弘前大学医学部元教授の佐々木甚一医学博士」の研究により、肝臓機能の改善が期待できる働きが発見されたことから注目を浴びている成分です。

カルサイトの働きに関する実験は、肝機能異常があるラットと、問題のないラットに、しじみの貝殻をそれぞれ投与するという内容です。結果、投与したラットの幹細胞の生存率が3.4倍になりました。このことから、肝機能の低下を防ぐ可能性が期待されています。

他にも、肝機能改善につながる実験結果があります。肝細胞が壊れることで上昇する「ASTとALT」の値が低下、中性脂肪と総コレステロール値が投与しなかったラットより低かったという実験結果は、肝臓の代謝機能が活性化しなければ現れない現象です。他にも、免疫細胞であるNK細胞の活性化も見られました。

オルニチン

オルニチンは、非必須アミノ酸の一種です。非必須アミノ酸は体内で合成できるのが特徴で、11種類存在しており、その中のオルニチンは血液中を循環して有害物質のアンモニアを解毒する働きがあります。

オルニチンが含まれている代表的な食材は「しじみ」100gあたり10.7~15.3mg含まれています。しじみ以外だと、チーズ、ヒラメ、パンなどが挙げられるでしょう。

オルニチンが肝臓にいいとされる理由は、アンモニアを解毒する働きです。アンモニアは老廃物で、たくさんあると疲れやすくなりますが、通常肝臓で無毒化されます。オルニチンは肝臓の負担を軽減し、アンモニアが増えるのを防ぐのです。また、肝臓にトラブルがあると増える「ALT」「AST」「γ-GTP」の数値を下げる働きがあると考えられています。

副作用は現在のところあまり報告されていませんが、引用する場合の目安量としては、1日500mg~1000mgに抑えておいたほうが無難です。

クロロゲン酸

クロロゲン酸はポリフェノールの一種です。ポリフェノールは、老化にもつながる活性酸素の酸化を抑制する働きがあると考えられています。

クロロゲン酸が含まれる代表的な食材は「コーヒー」他にも、さつまいもやじゃがいもなどにも含まれています。クロロゲン酸は強力な抗酸化力を持っていますが、肝臓にもいい影響を与えると考えられています。たとえば脂肪肝の予防も期待できると考えられているのです。脂肪肝はメタボリックシンドロームや肝炎のリスクが高くなると考えられていますが、クロロゲン酸が予防になるといわれています。

また、肝臓にトラブルがあると増える「ALT」「AST」「γ-GTP」の数値も、コーヒーを飲んでいる人のほうが飲まない人より低いという研究結果もあります。

ただしクロロゲン酸が含まれるコーヒーのカフェインは血糖値の上昇、カフェイン中毒のリスクがあるため飲み過ぎにはくれぐれも注意が必要です。

セサミン

セサミンはごまの中のゴマグリナンという脂溶性の抗酸化物質に含まれています。ゴマグリナンの内、50~60%がセサミンといわれています。セサミンは高い抗酸化力を持っており、活性酸素対策としても期待できる成分です。他にも高血圧予防などもあり、高い機能性で注目されています。

セサミンが含まれている食材としては、ごま以外にごま油が挙げられるでしょう。一般的にセサミンは肝臓にいいといわれていますが、理由は肝臓機能の向上をサポートするからです。セサミンは胃腸で分解されず、血液を肝臓へ運ぶ静脈から吸収され、肝臓に直接働きかけるという特徴があります。

また、アルコール代謝に関連する酵素の働きを強化させることでアルコールの毒素を減らします。肝臓の負担を軽くする点が肝臓にいいとされる理由です。また、善玉コレステロールを増やして悪玉コレステロールを減らすことは、脂肪肝対策としても期待できるでしょう。

クルクミン

クルクミンはポリフェノールの一種で、ウコンの色素成分です。秋ウコンの中に多く見られる黄色い天然色素で、漬物やりんごのシロップ漬けなどで色を付ける用途でも使われています。クルクミンが多く含まれる食品としては、ウコン、特に秋ウコン、たくあんが挙げられるでしょう。

また、クルクミンは肝臓機能を高めるといわれています。肝臓の解毒力を高め、胆汁の分泌を促進させる働きがその理由です。胆汁は悪酔いの原因となるアセトアルデヒドという毒素の代謝を促進させます。

また、胆汁に含まれる胆汁酸はコレステロールで作られています。胆汁の分泌が増えることで、生成のためのコレステロールが必要となり、結果的にコレステロール値が減ると考えられています。ただし、血小板凝集抑制作用があるため血液をサラサラにする薬を飲んでいる方は注意してください。作用が強く出て出血傾向があります。

スルフォラファン

スルフォラファンはブロッコリーなど、アブラナ科の野菜に含まれています。食べたときの辛味、それが、スルフォラファンです。強い抗酸化力を持っており、解毒酵素の活性化をサポートします。

スルフォラファンが含まれる食材は、ブロッコリ、カリフラワー、菜の花、大根やキャベツやかいわれ大根などです。スルフォラファンは、解毒酵素を活性化させるという働きによって肝臓機能をサポートします。肝臓にトラブルがあると数値が上がる「ALT」「AST」「γ-GTP」などがあります。スルフォラファンは、解毒酵素の活性化を通じ、肝臓機能の向上をサポートするため数値を下げる助けになるのです。

肝臓機能が低下すると、疲労感の増加、肝炎や肝硬変など重篤な病気のリスクも高まるため、スルフォラファンは間接的に予防にもつながるのです。特にお酒をよく飲まれる方はスルフォラファンの摂取をおすすめします。

タウリン

タウリンは含硫アミノ酸の一種です。体内で合成でき、筋肉や肺や脾臓や脳や神経など、身体中あらゆるところに存在しています。また、胆汁酸と結合することで、消化などをサポートするのが特徴です。タウリンが多く含まれるものとして、牡蠣やイカやたこなどの魚介類があります。

タウリンは肝臓の機能を安定させる働きがあると考えられています。胆汁酸の分泌、肝細胞の再生を促す、細胞膜の安定化させることなどが特徴です。肝臓機能の働きが安定すれば、正常な代謝も期待できます。他にも、アルコール代謝を促進するのもポイントです。アルコールの毒素は、肝臓で無毒化されます。ただし、その分解作業で肝臓に負担がかかるのは否めません。タウリンは酵素の働きをサポートするため、肝臓の負担を軽くするのです。

他にもタウリンは胆汁の胆汁酸と結合して消化を助けます。不足すれば肝臓機能の低下、脂質の消化や吸収がむずかしくなるのです。

ムチン

ムチンは多糖類の一種です。多糖類とは糖とタンパク質が結合してできています。人間の体内にもあり、涙や胃腸や鼻の粘膜で見られます。粘膜を保護する機能があると考えられており、さまざまな病気の予防が期待できると考えられている成分です。また、臓器や筋肉や皮膚など、体の組織の材料となるタンパク質の吸収を促進する働きもあります。

ムチンをたくさん含む食品は、ヤマイモやサトイモや納豆、オクラ、なめこ、モロヘイヤ、ツバメの巣などが挙げられるでしょう。共通するのはネバネバしていることですが、あのヌメリ成分がムチンです。また、ムチンは肝臓や腎臓の機能を高める働きがあると考えられています。

ムチンは食品からも摂取できますが料理をするとき過剰な加熱は禁物です。ムチンは水溶性の成分のため熱に弱く、加熱料理では流れ出る可能性があります。熱を入れる場合、汁ごと食べられるような工夫をするといいでしょう。

肝臓の負担になる食べ物

肝臓の負担になるものは、アルコール以外にも実に様々。お酒を飲んでいなくても、知らず知らずのうちに負担をかけている可能性があります。どのようなものがあるのでしょうか。

鉄分のとりすぎに注意

前述の「タウリンを多く含む食品」にもありますが、肝臓に良いとされているカキやしじみといった貝類はタウリンが豊富に含まれており、肝機能改善に期待できます。しかし貝類は、同様に鉄分が多く含まれており、摂取しすぎると肝臓に蓄積されて、例えば肝臓に炎症があった場合は、さらに悪化させる要因となるので注意が必要です。このほか、濃い色の肉(レバーや赤身)、赤身の魚にも比較的多く含まれているので、偏らずバランス良い食事を心掛けましょう。

脂肪分・油が多いもの

肝臓には、食品に含まれている脂肪酸を中性脂肪に変える働きがあります。しかし、大量に脂っぽいものを食べると、この働きが活発になるため肝臓の負担に。
例えば、揚げ物やマヨネーズ・ドレッシングといった調味料、また動物性の脂肪(ラードなど)を使用したマーガリンやショートニングなどの加工品には、飽和脂肪酸が多く含まれているので注意が必要です。
しかし、すべての脂肪分・油が悪いというわけではなく、必須脂肪酸といって体内では作られない脂肪がありますので、これらの摂取バランスを考えた食事が重要となります。

加工食品

加工食品に含まれる食品添加物を代謝するのにも、肝臓の働きが必要となります。
また、レトルト食品やインスタント食品、スナック菓子なども同様、肝臓の解毒作用に負担を掛けますので、なるべくなら避けたいものです。

果糖・糖分の多いもの

お酒は飲まないけれども脂肪肝になっている方は、清涼飲料水やエナジードリンク、炭酸飲料などを一日に何本も飲んでいることも。果糖・糖分が多く含まれているため、これらを過剰に摂取すると血糖上昇へとつながり高血糖へ。結果として、脂肪肝を引き起こす原因となります。